在宅勤務の罠とは? 研修で新宿に通った話
デジタル化の推進とコロナ禍で、勤務形態が職場出勤から在宅勤務に移行した方も多いと思います。
私は、2年前に転職して現在はほぼ在宅で仕事をしています。
在宅勤務に向くかどうかはもちろん仕事の内容によりますが、性格的にも在宅勤務に向く人と向かない人がいます。
私は、基本的に家で過ごすのが大好きなので在宅勤務に向いているのですが、それでも職場に出勤していた頃の方が良かったと思うことも少しはあります。
ここでは、普段は家のパソコンで仕事をしている私が、2か月ほど新宿で研修を受講して感じた「在宅勤務の罠」について書きたいと思います。
家で仕事をするのは自由で気が楽ですが、それに慣れてしまうと一般的な社会生活がやや厳しくなってしまうことを、私は身をもって体験しました。
コミュニケーション能力の高い人にはあまり関係ないかもしれませんが、もしあなたが在宅勤務への切り替えを考えているなら、今回の話が少しだけ参考になるかもしれませんよ。
方向音痴は治らない
研修に通うには、まず通勤経路の確認です。
私はいわゆる「方向音痴」なので、どこへ行くにも目的地までの経路を入念に調べます。
きっちり下準備しておけばどこへでも行けますが、今回の研修は遅刻厳禁とのことだったので緊張しました。
私は東京に住んでいるので新宿には何度も行ったことがありますが、この数年は新型コロナ感染の懸念やネットショッピングの利用ですっかり足が遠のいていました。
最寄駅から1回乗り換えて都営地下鉄の大江戸線都庁駅前で下車し、そこから徒歩2分で研修会場に着くので自宅から1時間もあれば大丈夫なところ、私は念のため毎回2時間前に家を出ました。
そして、改札からビルまでの詳細な案内を探し、スマホでチラチラ見ながら何とか迷わずたどり着くことができました。
私としては、この案内が一番分かりやすかったですね。
(引用:株式会社イマジニアHP)
何となく歩けば分かると言う人がよくいますが、私も位置関係は把握出来ているので何となくで行ける時もありますが、いったん迷うと右も左も分からなくなってしまうので常に緊張感をもって確認しながら歩くようにしています。
イイ大人ですから、知人と待ち合わせをして仕事に行くなんてしませんよ。
例え迷っても、格好悪いのでキョロキョロしたりせず、どうやって現在位置を確かめるか焦りながら頭の中で必死で考えて。
最初から、スマホのナビを頼りに歩けば良いのでしょうが、まさか新宿の高層ビルに行くのにナビ使いはないでしょうと自分に見栄を張り、どんだけ不安なんだと呆れます。
あなたはきっと、こんなドンくさい方向音痴ではないでしょうね。
研修は疲れる
研修は疲れます。
元々何らかのスキル向上のために受けるものなので、研修がラクなわけはありませんよね。
事前に自宅でeラーニングを受講しても、全く身についていないことをテストで思い知らされ、これから自分は本当についていけるのかと心配になりました。
私は2種類の仕事をしていて、今回の研修はWEBライターの仕事ではなくNPOの仕事として必要な講習だったのですが、通勤もさることながら内容が予想以上に難しく、もう少しで音を上げてしまうところでした。
学生のように活性化された脳を持たない私が、新しい知識を暗記するのは骨が折れましたが、それ以上に知らない人とのグループワーク、これが精神的に最も疲れました。
グループワークは難しい
グループワークは、次々与えられる課題について6人の意見を一つにまとめていくというものでした。
皆とりあえず自分の考えや他の人への意見を述べますが、結局「声が大きい人」の案でまとまっていくわけです。
あれ?それはさっきの人の意見とぶつかるよね、と思っても否定された本人も周りの人も正面から言い返すことはせず、強く主張する大きな声に従います。
でも、ほどほどにというか、皆が同じぐらいの譲り合いで進めていければ良かったのに、私のグループは一人の方の声が大き過ぎてワークの仕上りにも偏りがありました。
途中で、明らかに気分を害したと思われる方の発言もありましたが、結局最後までこの流れは変わりませんでした。
今回は、全員が研修生という対等な立場でしたが、リーダーのような存在があればもう少し穏やかで気持ちの良いグループワークができたのではないかと思われます。
お互いに短期間の関りしかない研修でグループワークを充実させるのは、メンバーによっては難しいものですね。
休憩時間も厳しい
人見知りの私にとって、休憩時間の過ごし方も気になるところでした。
研修生は、様々な団体から推薦等で参加していて、それぞれのシーンでコミュ力を発揮して活躍しているようで、休憩時間はあちこちで会話が弾んでいる状況でした。
聞き役に徹していられれば、それなりに有意義な情報もあって楽しいのですが、急に質問されることもあるので油断できません。
お昼休みは、近くのお店でランチを食べるとか、どこかのデリで購入するとか、コンビニのレジに並ぶのは私にとってハードルが高いので、お弁当を持参して研修会場で昼食を済ませました。
自席で細々とお弁当を食べていると、席がロの字に組んであったので周囲との会話に自然に参加できて良かったです。
このように、慣れない場では休憩時間の過ごし方にさえ苦労する自分は、やはり社会性に欠けていると改めて自覚した次第です。
アフター5は尚更
研修終了後のアフター5は、私にとって一段と厳しい難関でした。
私は家にいるのが好きなので、少しでも早く帰宅したいというのが本音です。
気の置けない友人ならともかく、勝手に構成されたグループのメンバーと時間外にお付き合いするのはボランティア以外の何物でもありません。
そこで、私は最初からタイミングをとらえては家で待つ愛犬の話をして、老犬だから心配だし可哀そうで夜に出かけるなんて到底できないわ、などと言いました。
これは作り話ではなく事実なので、興味を示した人には少し詳しくエピソードを交えて話したりしました。
このようにして、私には早く帰宅しなくてはならない理由があることをグループ内にゆるやかに周知し、講義が終了次第、真っ先にエレベーターに向かいました。
研修で出会った人たちとはもう一生会うことはないと思いますが、インフォーマルなお付き合いをしなくても、私の記憶には研修会場の風景やグループワークの様子がしっかり残り、印象深い経験の一つになりました。
まとめ(在宅勤務に向いている)
こんな私は、在宅勤務に向いていると思いますが、これまで在宅勤務という選択肢がなかったのは実に幸いなことでした。
なぜなら、在宅勤務に向いているからこそ「在宅勤務の罠」にかかる可能性が大だからです。
自由度が高く、人と話す機会が少ない在宅勤務が快適過ぎて、それに慣れるといざ外で人と接する羽目になると緊張感が増してしまいます。
もしかすると、そのストレスに耐えかねて仕事を辞めてしまったかも知れません。
なので、たとえ在宅勤務がメインでも社会とつながりをもち、より多くの人とコミュニケーションをとる努力は続ける必要があると感じています。
職場や外出先を、自分のファッションを発表する場とでも勝手にとらえて、これからも「在宅」時々「出勤」の形を続けたいと思います。