思い出が溢れてロスになる?清里グレイハウンドの閉館
大切なものを失うと、数々の懐かしい思い出が溢れてきてその喪失感からロスになってしまいますよね。
先日、私が20回以上リピした「清里グレイハウンド」が閉館になりました。
愛犬とこの宿を訪れる度に、「帰ってきたなあ」という落ち着いた気持ちになったものです。
ここでは、清里の清々しい空気の中で35年の時を紡いだ清里グレイハウンドの魅力を私の主観で紹介していきます。
何かのロスになってしまった誰かにとって、この記事がまた新しい思い出を作っていこうという気持ちの切り替えにつながれば幸いです。
清里グレイハウンドの魅力
私が清里グレイハウンドを特に気に入っていたのは、次の3つの魅力があったからです。
- 美味しい料理
- 上質な設備
- 寛げる雰囲気
料理・設備・雰囲気なんてどこでもウリにしていることですが、ここでは清里グレイハウンドならではの特徴について詳しく説明しますね。
美味しい料理

とにかく、清里グレイハウンドのオーナーが腕を振るう料理は絶品でした。
フルコースの料理が出来たての温かさでタイムリーに運ばれてくるディナータイムは、美味しくて幸せな気持ちになれました。
愛犬同伴OKだったので各テーブルには犬種や性格が違うワンコたちがいて、それぞれの様子を見渡しながら食事をするのも楽しみの一つでしたね。
帰りがけに必ず撮ってくださる記念写真を収めたアルバムや、時間制限のない外出のことなどを話す奥様の声が、リピーターの私の耳にはおなじみの安心感があって心地よかったです。
ワンコたちは隣の犬とにらめっこをしたり、椅子の上やテーブル下で思い思いに過ごしていましたよ。

朝食は、柔らかい日差しが差し込む明るいホールでいただきました。
清里グレイハウンドの料理は、オーナーが厳選した地元の食材をふんだんに取り入れている点が特徴的でした。
野菜・フルーツ・スープ・卵・ジューズ等ほぼ全ての食材が地元で採れた新鮮なもので、特にフルーツは高価な新種をいただく機会が多くて果物好きの私には嬉しかったな。
オーナーに教えてもらった野菜や果物を、清里からの帰り途に購入したこともありましたよ。
因みに、都内の某レストランで料理の修業をされたオーナーは「シェフ」と呼ばれていて常に白いコックコート姿だったので、シェフの私服姿を拝見したことはありません(笑)
こうしたことでも、清里グレイハウンドの料理へのこだわりが感じられますね。
オリジナルのコルドンブルーや金目鯛のムニエル、レモンケーキなどを食べる機会がないのは淋しい限りです。
清里ワンネットなど様々な活動に注力されたオーナーが、ペット連れリゾート地としてのPRをはじめ、清里の地域振興に多大な貢献されたことは間違いありません。
上質な設備

清里グレイハウンドの2つ目の魅力は、ベッドや照明等の設備が上質だったことです。
特に、ベッドは腰が沈み込まないスプリングが使用されていて、ゆったりサイズのホテル仕様が快適でした。
ぐっすり眠れるので3泊連泊したことも何度かあります。
また、部屋をロールカーテンで寝室とドア付近とに仕分け、ワンコをリードフックにつないでゆっくり安全に休ませるスペースを確保する工夫がされていました。
ホールと廊下は木、部屋の床は優しいクッションカーペット、階段には滑り止めのマットが敷かれているなど細かい部分にも配慮がありましたね。
トリプルの部屋の写真は私が滞在中に撮ったものなのでベッドに座った皺がありますが、鍵を渡されて最初に部屋に入った時は室内が綺麗に整えてあって、深呼吸したくなるほど気持ち良かったです。
ツイン・トリプル・4ベッドの部屋がそれぞれ幾つかあってメンテナンスは大変だったと思いますが、壁紙やカーテン、トイレ設備等が適宜入れ替えられていて落ち着いた清潔感に溢れていました。

寛げる雰囲気

ですが何といっても、清里グレイハウンドの一番の魅力は「寛げる雰囲気」でした。
ここに来るとどうしてこんなにゆったりとした気分になれるのだろう? と考えたことがあります。
オーナーの柔らかい語り口調やほとんど何の制約もない自由さに、「自分の家のように好き勝手に振舞ってもよい」というような印象があったからかもしれません。
オーナーや奥様にお勧めの場所を尋ねれば丁寧に教えてもらえましたが、私が少しでも考えなくてはならないような問いかけをされたことはなかったように思います。
干渉がないといっても「放置」されていたわけではなく、「放任」という緩やかな自由の中で思い切り羽根を伸ばすことができたのです。
例えば、清里グレイハウンドでは犬だけでなく猫や小鳥等すべてのペットの宿泊を受け入れていましたが、マナーベルトの着用やベッドカバー、持ち込み等の決まり事は特にありませんでした。
それでも、お客さんのマナーやペットのしつけに関して問題が起きたのを見たことがなかったのは、注意事項を掲げなくてもケースバイケースで対応・解決できるオーナーの経験とスキル、そして心意気があったからだと思います。
その「懐の広さ」が、清里グレイハウンドの最大の魅力でした!
愛犬も、もう一つの我が家に帰って来たかのようにいつも安心して過ごしていましたよ。

清里グレイハウンドから出かけた5つの場所
清里グレイハウンドから私がよく出かけた場所を5つ紹介します。
清里にはワンコ連れでお散歩したい場所がたくさんあって、お勧めのスポットが幾つもあります。
①天女の湯
清里グレイハウンドから牧場通りを車で3分の「清里アクアリゾート天女の湯」は、私が毎回利用したかけ流しの天然温泉です。
チェックインして愛犬が快適な部屋で休んでいる間に、オーナーからいただいた入浴券でてディナーの前にゆっくり温泉に浸かるのがお決まりのスタイルでした。
各部屋にユニットバスがあるのに温泉チケットをくれる心遣いが嬉しくて、滞在中は毎日温泉に通いました。
内風呂で温まったり、露天風呂にゆっくり浸かったり。サウナもありましたよ。
令和5年のリニューアル前は売店の「木苺ジャム」を毎回必ず購入したのですが、現在は縁日ムードの懐かしいおもちゃや駄菓子等のコーナーになっていて、残念なことにお気に入りだった木苺のジャムは姿を消してしまいました。
この温泉は、雨の日でも楽しめる屋内の遊び場「こどもパラダイス広場SÖPÖ」やレストランが併設されていて活気があります。

天女の湯は、駐車場入り口あたりから富士山がくっきり見えるのもポイントで、晴れてさえいれば素人の私でも形の良い富士山の写真を簡単に撮ることができました。

https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/stay/p5_5022.html
②清泉寮

ポール・ラッシュ博士が再建した清泉寮は、清里のシンボルの一つとして多くの観光客に親しまれていますが、私はここを専ら愛犬との散策に利用していました。
https://seisenryo.jp/history/
清里グレイハウンドから車10分で到着できる清泉寮は、チェックイン前やチェックアウト後、連泊の昼間などいつでも気軽に行ける身近な場所でした。
愛犬との散歩にちょうど良いコースが幾つかあるので、その日の天候や持ち時間によって散歩するコースを選べて便利でしたね。
▶ジャージーハット前に広がる牧場
本館やジャージーハット前に広がる芝生を、愛犬とのんびりジャージー牛を眺めながら歩くのが快適でした。
このジャージー牧場からは、正面の富士山だけでなく八ヶ岳や南アルプス、奥秩父連峰の名峰が一望に見渡せます。
清里に行ったらぜひ、自家牧場産のミルクをたっぷり使用した清泉寮ソフトクリームをいただきながら絶景を堪能して欲しいですね。

▶富士とせせらぎの小径
清泉寮の周辺には、八ヶ岳南麓の豊かな自然を満喫できる6つの自然歩道があります。
中でも特に、私はやまねミュージアムの奥にあるウッドチップが敷かれた「富士とせせらぎの小径」をよく歩きました。
小川のせせらぎを聞き、カラマツやシラカバの林で森林浴を楽しみながら進むと、広い牧草地に富士山・金峰山・秩父連峰が一望できる展望テラスがあります。
道に勾配なく足場も歩きやすいように配慮されているので、シニアになった愛犬の散歩に最適なお散歩コースでした。
▶ファームショップ
ジャージーハットからポールラッシュ通りを200メートルほど行った場所にある清泉寮ファームショップもお気に入りの場所でした。
子ども広場の奥にあるカフェレストランのテラス席で、愛犬と一緒に見晴らしの良い牧草地を眺めながらのんびり過ごしたものです。
帰る前にショップでマグネット付きのヤマネのぬいぐるみを購入するなど、こじんまりとしたファームショップならではの馴染みやすさがあります。
③富士見パノラマリゾート

清里グレイハウンドから車で約40分の富士見パノラマリゾートへもよく行きました。
連泊の中日に行くこともありましたが、たいていは渋滞を避けて早朝に家を出発し、初日はここへ直行するというパターンでした。
入笠山の山頂駅までゴンドラに乗り→すずらん山野草公園を散策→入笠湿原を通って花畑でトイレ休憩→マナスル山荘でカツカレーとあんクロワッサンを食べ→入笠山へ……それから清里グレイハウンドにチェックインするというのが定番でしたね。
愛犬が4歳の時に一度だけ、家族で入笠山の頂上まで登ったことがあります。お正月に雪の中を皆なで頑張ったことは良い記念になりました。
愛犬もこの山が大好きで、ゴンドラに乗るといつも上機嫌でしたよ。

④萌木の村

半世紀以上の歴史がある萌木の村は、レストラン・カフェ・オルゴール博物館・各種ショップ等が集まる清里の人気スポットです。
私は、ここの一角にある八ヶ岳アウトドア・アクティヴィティーズのスノーシューハイキングに参加して、吹雪の中を案内してもらったことがあります。

自然との共生をめざす萌木の村は、32,000㎡の広大な敷地内をぶらぶらするのも楽しいのですが、ワンコ連れお散歩コースのイチオシは「滝見の丘遊歩道」です。
萌木の村・ロックの裏から続く小径を進むと、遠くから千ヶ滝を見下ろせる小高い丘に出てちょっとしたハイキング気分を味わえます。
⑤サンメドウズ清里ほか

富士山や野辺山高原を見渡せるサンメドゥズの清里テラスは、清里グレイハウンドから車で10分ぐらいで八ヶ岳ブルーを堪能できる絶景ポイントです。
無料で開放されているリフト下のドッグランで、若い頃の愛犬は自由気ままに走り回ったものです。
以前は敷地内の美し池から木々の間を縫ってゲレンデまでつながる小径を歩けたので、夏も冬もそこがお気に入りの散歩コースだったのですが、数年前に一般には閉鎖となってしまいました。
他にも、マイナスイオンたっぷりの吐竜の滝や清里丘の公園レジャーパーク、ポニー・ヤギ・ウサギ等と触れ合えるポニー牧場など、清里グレイハウンドの周りにはワンコ連れで楽しめる場所がたくさんあったので何度訪ねても飽きることはありませんでしたね。

清里グレイハウンドの思い出 番外編
ここからは場所ではなく、清里グレイハウンドといえば…と思い起こされることを3つ書きます。
暗闇の中の夜散歩

清里には街灯が少なく夜道が真っ暗ですから、食事中に奥様がインフォメーションさていたとおり、暗闇の中での散歩には懐中電灯が必須です。
夜散歩は清里グレイハウンド備え付けの懐中電灯を右手に、リードを左手に持って側溝に注意しながら歩きました。
ワンコ連れの宿泊客が多いためか、愛犬はオシッコの場所を容易に見つけては用を足していたので、慣れてしまえば暗闇の散歩も楽勝でした。
周囲が暗い分、晴れた日には満天の星を眺めることができ、綺麗な夜空は清里がくれたご褒美のように感じられましたよ。
BGMに流れていた音楽

食事の時間、ホールには優しいオルゴールのBGMが流れていました。
それはどこか聞き覚えのある曲で、会話の妨げにならないようなまさにBGMだったわけですが、清里グレイハウンドを思い出す時そのメロディーが必ず脳裏に浮かんできます。
会話が途切れた瞬間、次の料理を期待している時間、おなか一杯になったなあと思った時、いつでもその音楽が流れていました。
BGMは2~3曲あって、おそらく私が清里グレイハウンドを利用した約10年間は同じ曲だったと思います。
そういうところが良かったのです。だからこそいつも懐かしく、帰って来たという気分にしてくれたのでしょう。
家族の歴史

清里グレイハウンドとともに私の家族の歴史があります。
愛犬と配偶者(兼ドライバー?)は毎回一緒でしたが、子どもはいたりいなかったり。子どもが子ども夫妻になったり。
今回の清里グレイハウンドの閉館を知った時、私たちは家族でしみじみと思い出を語りました。
一緒に過ごした時間でも、その時感じたことや記憶の留め方は一人ひとり違っています。
家族全員の心に愛犬との限られた日々、その中でも清里グレイハウンドの思い出はひときわ幸せな時間としてこれからも残ることでしょう。
「ありがとう」

まとめ(思い出がロスを癒してくれる)
こうして記事を書いていると、改めて様々な景色が思い起こされて喪失感でいっぱいになります。
ですが、書くことで清里グレイハウンドが大切な思い出となった現実を少しだけ受け止めることができたように思います。
私は、思い出が溢れてロスになってしまいましたが、ロスを癒してくれるのもまた思い出なのだと気づきました。
思い出は、「喪失感」と「癒し」の両方をくれるのですね。
失くして淋しく思う思い出があることを幸せなことととらえて、私はこれからも清里グレイハウンドの思い出を大切にしたいと思います。

